大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

松山家庭裁判所 昭和39年(少)11126号 決定

少年 A・K(昭二一・一・八生)

主文

この事件を松山地方検察庁検察官に送致する。

理由

(罪となるべき事実)

第一、少年は今治市に本拠を有する○嶋組組員であるが、予てより松山市に本拠を有する○田会との間に謂わゆる繩張り争いによる対立関係にあつたところ、昭和三九年六月○日松山市○町において○田会会員である○中○人等から○嶋組員○崎○雄外一名が殴打暴行を加えられたことに端を発し、同月△日午前一一時三〇分頃、松山市○町○部アパート前路上を通行中の○田会員○部○孝を松山市町○○番地○雲ビル三階に連れ込み、人質としたことから前記○田会との喧嘩となり、少年は○嶋組員○岡○市外八名と共謀のうえ、○田会員を殺害しようと企て、前記○岡において前記○田会に人質をとりに来るように連絡し、同日午前一一時三〇分頃その連絡により自家用自動車三台に分乗し同市××町○○番地先路上に差しかかつた○金○二、○田○二こと○村○文等に向け、前記○雲ビル三階から一斉に猟銃ライフル銃を発射したが、同人等が逃走したため前記○金に対し全治まで一〇日間を要する右上膊部盲貫創の、前記○中に対し全治迄一〇日間を要する右耳左背部創傷の各傷害を負わせたに止まり、殺害の目的を遂げなかつた、

第二、少年は法定の除外事由がないのに拘らず前同日前記○雲ビル三階において、それぞれ前記○岡等八名と共同して拳銃四挺、猟銃一挺、ライフル銃一挺を所持していたものである。

(適用罰条等)

少年の前記所為中第一は刑法第二〇三条、第一九九条、六〇条に、第二は銃砲刀剣類等所持取締法第三一条第一号、罰金等臨時措置法第二条、銃砲刀剣類等所持取締法第三条第一項、刑法第六〇条に各該当するところ、前記第一、二を含め本件はその罪質及び清状に照らし刑事処分を相当と認められるので少年法第二〇条を適用して主文のとおり決定する。

(裁判官 白須賀佳男)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例